
【第3回】スマホ・ケータイ安全教室! 子どもたちのトラブル ~人間関係~
2021.12.24
近年では多くのお子さまがスマートフォンを利用するようになりました。本連載ではお子さまのスマートフォンや携帯電話の使い方について、次の3つの内容を考えていきましょう。
第1回-第2回 子どもたちのネット利用状況について
第3回-第5回 子どもたちに実際に起こったトラブルや事件の事例紹介と、リスク回避のためのポイント
第6回-第7回 子どもたちを守るためのサポートツール ペアレンタルコントロールとルール作りについて
代表的なトラブルとして、大きく3つに分けることができます。
まずは「人間関係」でのトラブルです。チャットなどの文字コミュニケーションによるトラブル、いじめが挙げられます。
次に「依存」でのトラブルです。スマホやネットへの依存は、長時間利用と高額課金など、睡眠時間などの生活リズムに影響を及ぼす場合もあります。
今回は代表的なトラブル1つ目の「人間関係」でのトラブルについて、考えてみましょう。
●「人間関係」でのトラブル
<トラブル実例>
友だち数人でボイスチャットを利用したオンラインゲームで遊んでいたところ、友だちが失敗したことによりゲームオーバーとなり、喧嘩になる。 これが引き金となり、友だち同士で決闘するという事態にまで発展。またオンラインゲームで失敗した子は責め立てられ、 さらにはSNSでも責め続けられたことにより、学校へいけなくなってしまった。
ネット上のケンカから発展するトラブルはとても多く起こっています。
オンラインゲームは画面を通して相手とやり取りをします。直接顔を合わせるわけではありません。またボイスチャットなどを利用するために、より一層ゲームの中にのめり込みやすくなります。
そのため、オンライン上で喧嘩になってしまうと相手を許せずに、リアルの場まで怒りが続き、どんどんエスカレートしていく傾向があります。オンラインゲームはとても楽しいものではありますが、こういった傾向をよく理解して利用する必要があります。
また、相手を傷つける言葉は「言葉の暴力」、つまり「誹謗中傷」として犯罪になる可能性があります。
これは携帯電話等での誹謗中傷の平成25年度からの推移をピックアップしたものです。年々増加傾向にあり、「誹謗中傷」が増加しているということです。
またこのようなトラブルは子どもの将来に大きな影響を及ぼします。
推薦での進学や、仕事に就く時など、採用担当者の人がその人がどんな人なのかインターネット上で調べることがあります。その時にもし悪い情報や非常識なものが掲載されていたらどうなるでしょうか。
評価が下がり、結果希望がかなわないということも実際に起こっています。
<トラブル回避のポイント>
このようなトラブルを避けるためには、もし気持ちがイライラしたり、悪口を言い合いそうになったら、どうしたらよいのか、 気をつけなければいけない点を子どもに伝え、話し合いをしていくことが大切です。
冷静になるための行動として、「10秒数える」、「一度その場から離れる」なども有効な方法の一つと言われています。
また「周りの意見に流されないこと」も重要です。周りの人が言っていることは正しいのか、理由があったとしても1人大勢で攻めていいのか、 みんなもやっていたからといっても自分も言って大丈夫なのか。誰かの言うことを鵜呑みにするのではなく、相手への思いやりを持ち、 一つ一つ自分で慎重に考えて判断し行動する勇気を持てるようにぜひ子どもたちに伝えてください。
言葉は刃にもなるし、 人を励ますこともできます。オンライン上でのやりとりも、普段の生活でのやりとりも同じであるということを改めて子どもたちに知って ほしいと考えています。
スマホやネット上での感情というものは、一度冷静さを欠ければどんどんエスカレートし、 いじめや誹謗中傷の被害者・加害者になりかねません。自分自身で感情をコントロールする冷静さについて、日頃から話し合い、 サポートしていきましょう。
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出典:https://www.kddi.com/corporate/csr/lesson/brief-summary/material/