大学入試の現状②

大学入試の現状②

【大学入試の現状】

大学を取り巻く状況は近年大きく様変わりしています。少子化に伴う受験人口の減少によって「定員割れ」となる私立大も少なくありません。また、グローバル化や技術革新に伴う急速な社会の変化に対応できる人材育成をめざし、国は高校教育や大学教育だけでなく大学入試の抜本的な改革を進めています。
ここでは、入試の仕組みや概況をまとめるとともに、現代の大学事情や大学卒業後の進路について探ってみましょう。



入試動向は社会情勢に左右

ここ数年の入試動向に触れておきましょう。
国公立大ではリーマンショック後の不況の時期、学費が安いこともあって志願者が増加しました。それ以降、安定した人気を示していましたが、受験人口減少の影響から2020・21年度入試では志願者数が大幅に減少しました。国公立大入試の中心となる一般選抜前期日程では、2021年度入試の志願者数が過去最少の数となりました。人気の高い国公立大ですが、今後は競争緩和が期待できる状況です。

私立大では、数年前までは都市部の私立大を中心に、入学者数の入学定員超過を是正するため合格者数を絞り込む動きがあり、全体的に難化傾向がみられました。しかし、こうした定員超過の是正は多くの大学が終えており、私立大入試も受験人口減少の影響を受けて易化傾向に転じています。2021年度入試では、受験人口減に加えて、コロナ禍の影響による受験生の地元志向もあり、都市部の人気私立大で志願者の大幅減少が目立ちました。

学部系統の人気も変化しています。大学生の就職状況が厳しいと、資格が取得可能な学部や大学での学びが仕事に直結するイメージが強い理系学部の人気が上昇する傾向があります。また、ここ数年はAIやIoTなどの発展を背景に情報系の学部の人気が高まりをみせています。


入試動向はその時々の社会情勢、特に経済状況や就職率などの影響を強く受けています。

また、個々の大学の志望動向は大学の入試方式や科目の変更によっても大きく変化します。進学情報誌や大学案内、インターネットなどを上手に利用して常に情報収集を心掛けたいものです。

【表2】志願者数の推移.png

© 河合塾 全国進学情報センター 『2021 親と子の大学受験情報誌 栄冠めざして Family』 2021年